ニューヨークVS東京・都市比較論


ニューヨークと東京を比較する記事をよく目にするが、ただ人口を比較して「東京とニューヨークは同格の都市である」という短絡的な発想をする

読者もいると思う。しかし、ニューヨークから見れば、迷惑な事で、極端にいえば「東京は人口が多いだけ」の都市なのである。都市人口も重要な

要因であるが、都市の質を図る基準として、国際性・経済力・都市景観・教育と文化・メディアのレベルなどを総合的に考慮しなければならない。

(経済力)

ニューヨーク・東京・ロンドンは、世界の三大証券所といわれるが、ニューヨークの規模は、他を圧倒している。例えば、売買代金(2000年資料)は

、ニューヨークは99164億ドルだが、東京は23073億ドルで、ニューヨークの23%にすぎない。株式時価総額(2000年資料)、ニューヨーク

116329億ドルにたいして、東京は31380億ドルで、ニューヨークの僅か26%である。ウオール街周辺に集中している金融街の集積・観光の

集客力など、どれをとっても東京を圧倒している。

(都市景観)

マンハッタンの超高層ビル群も、東京は比較の対象にならない。ミッドタウンの超高層ビル群のビル数は285棟(ポイント数(ビルの高さの合計)

・43467)・ロウアーマンハッタンのビル数103棟(ポイント数14504)である。これに対し、代表する新宿ビル群・中心部のビル数は29棟(

ポイント数・4794)で、ミッドタウンの約10%である。まして、汐留・品川など、ニューヨークからみればビル郡とはいえず、ビルが数棟建っている

だけである。

最近、東京の超高層ビルは、「マンハッタンのようだ」というメディアの記事を目にすることがあるが、これは、マンハッタンを見たことがない記者が

書くことで、余りにも常識に欠ける。また、シンガポールから来た友人に新宿の超高層ビルを見せて自慢したところ、反対にバカにされたという話も

ある。世界の情勢を知ることが重要なのである。世界で、ニューヨークを始め、シカゴ・香港・上海などが500m級の超高層ビルを建設している

時代に、250m以上の超高層ビルが1棟もない状態である。

また、ニューヨークの郊外には、マンハッタンの超高層ビルとは対象的は、緑が豊かな住宅街が広がるが、東京郊外は雑多で狭い住宅街が延々

と広がり、メリハリのない都市景観を形成しているのである。

(国際性)

 世界を代表する「グローバリズム」あるいは「地球」の縮図となっている都市が、ニューヨークである。憧れて母国を捨てるか、

追われるか、黒人奴隷のように無理やり送り込まれるか。いずれにせよ、世界中から移動してきた人間がこの都市を造った。先住民

以外のアメリカ人は、元をたどればみな外国人だ。ニューヨークには、チャイナタウン、リトル・イタリア、ハーレムなどがあり、

まさに人種の「るつぼ」である。国際性を造るのではなく、自然に実現できたのである。

東京では、英語さえ通用しない致命的な欠陥がある。

 司法省の統計では、アメリカ全体で、1820年から1996年までの移民総数は6314万人。アメリカの人口2億7000万人

の10%は外国生まれだ。こんなに外国人を引き寄せる国はほかにない。1776年の独立からまだ227年。ほかの国からみれば

若い国家が超大国として世界を牛耳る。その背景には、移民が造った人工国家ゆえの強みがある。

 政治における民主主義、経済における自由市場、強い者が勝ち、勝つ者が正しいという競争原理をつくった。そうした制度や理念

が20世紀を「アメリカの世紀」にしたという自信がみなぎる。その次に来るのが、自分たちの考え方を世界に広げるべきだという

使命感だ。善意なのだが、外国人には時には押し付けであり「ごうまん」と映る。

 何が許せないか、逆に何を黙認するかを決めるのはアメリカなのだ。それでも、人道を掲げた戦争を遂行してしまうところに、

アメリカの強さがある。ニューヨークには、このアメリカの強さの基盤がある。

(知名度)

 ニューヨークの知名度を支えるのは世界一を誇るアメリカの経済都市だけではない。国連の本部があり、「世界の首都」と呼ばれる

ゆえんである。世界のエンターテインメントであるハリウッド映画では、ニューヨークの超高層ビル街がいやと言う程、見せつけられ

る。東京の街は、ハリウッドには、かって本格的に写されたことはないが、その特徴のない街並みも大きな要因である。

(エンターテインメント)

 ニューヨークは、エンターテインメントの世界の中心でもある。「アメリカにとって最大の輸出産業は航空機でも自動車でもない。

映画やテレビ番組などエンターテインメント(娯楽)だ。ハリウッド映画は1997年、300億ドル以上を稼いだ」ヨーロッパの

主要都市、東京でも、若者のライフスタイルはニューヨークから強い影響をうける。そういう面にも、この都市の凄さがある。

 ニューヨークを中心とするグローバル化とは企業、個人の各レベルで、かつ経済、技術、文化の各分野で、世界の「アメリカ化」

を意味する。

(文化・教育)

 ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学などアメリカの一流大学のレベルは高い。世界のランキング10位の内、アメリカ

の大学が8校を占める。この大学のランキングを決めるのは、関係者のノーベル賞の取得数、論文の閲覧件数などである。

大学と提携した高度な研究機関なども、ニューヨークに多く存在する。

在学中における教育の充実度は、ノーベル賞の出身校を見れば、明らかである。ノーベル賞の取得数はアメリカ276個で、日本は

12個、これからも、日米の教育・研究機関のレベルの違いが明らかである。またニューヨークには、レベルの高い文化施設も多く

集積している。

(メディア)

 ニュヨークのメディアの質も高い。世界的な視点からニュースが構成される。日本の新聞の一面記事など、アメリカでは考えられ

ないであろう。例えば、東京のメディアになると、楽天・ライブドア・村上ファンドのマネーゲームを、娯楽情報のように流している。

「六本木ヒルズ族」というような「くだらない造語」を作り全国に流す。他の都市にとっては、何のメリットもない迷惑な事である。

テレビの番組も、NHK以外、世界的に評価が低く、くだらない番組が多い。いい番組と思うと、世界のテレビ局から買った番組を再編集

して、作っている。どうも、東京は独創的な番組を作ることが苦手のようである。

 

1 inserted by FC2 system