首相官邸・隣接の東京・超高層ビル、警備上の問題
安倍元首相が演説中に銃で撃たれ、殺害された事件で、日本の警備の甘さが問題となっている。
また、東京の超高層ビル・山王パークタワー(194m)は、首相官邸に隣接して建てられ、以前から警備上の問題となっている。
首相官邸は、現官邸の西側に隣接する地上5階、地下1階で、阪神大震災級の地震にも耐える免震構造
をもつインテリジェントビル。首相が執務するのにふさわしい構えとなった。
ただ、問題なのが官邸を見下ろす隣接する超高層ビル・山王パークタワーである。
新官邸西側に立つ山王パークタワー、発表された当初建設計画を聞いた官邸側を慌てさせた。最初の
構想は60階を超える超高層ビル。隣の首相官邸を見下ろすことができ、「テロによる狙撃などの心配
がある」からだった。警備上の問題を理由に官邸側は「ビルはできるだけ低く、遠くに」「窓を開かな
いようにして欲しい」など、次から次へと注文をつけた。
結局、ビル事業者は44階(高さ194メートル)まで下げ、2000年1月に完成。ビルが官邸と対面
しないように向きをずらしたほか、官邸側がはっきり見えないように特殊フィルムを窓ガラスに張り、
監視カメラを通常より多く設置した。
官邸側も、対策を怠らなかった。全面に厚さ5センチの防弾ガラスを張り巡らし、「想定される狙撃
には十分耐えられる」(官邸整備企画室)ようにした。
しかし、アメリカ同時多発テロが起きると、当時の扇千景国土交通相がかみついた。ビルに飛行機が
激突し、新官邸側に倒れるのではないかというのだ。
悩みのタネは尽きず、その場しのぎの対策しかできておらず、海外の先進都市では、まずありえない
問題である。
(アメリカの首都・ワシントンの街並み)
(ホワイトハウス)
(連邦議会)
(ワシントン記念塔・169m)
(リンカーン記念堂)
(ペンタゴン・アメリカ国防総省)
(
ワシントン・街並み)
9.11アメリカ同時多発テロでは、ニューヨークのWTC超高層ツインタワーの他、ペンタゴン(国防総省)も
攻撃を受けた。ただし、ホワイトハウスの攻撃は、民間機の乗客の協力により墜落し未遂に終わっている。
ペンタゴンの被害は、ビルの西壁に衝突して爆発炎上し、AA077便の乗客・乗員全員が死亡したほか、
ペンタゴンに居た125人の国防総省職員(民間人70人、軍関係者55人)が死亡、106人が重傷。
(アメリカ中枢同時テロ9・11の詳細)
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内容
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備考
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ワールド・トレードセンター
(第一ビル・北棟)One World Trade Center
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午前 8時45分 テロにより旅客機・激突
(2001年9月11日)午前 10時28分 ビル・崩壊
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(96〜103階に激突) 417m(110階)
1975年・完成
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ワールド・トレードセンター
(第二ビル・南棟)Two World Trade Center
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午前 9時3分 テロにより旅客機・激突
(2001年9月11日)午前 10時5分 ビル・崩壊
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(87〜93階に激突) 415m(110階)
1975年・完成
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(WTCの被害)
(ペンタゴンの被害)