あべのハルカス、路線価格上昇率・日本一
大阪市中心部の再開発エリアは軒並み上がり、大阪市内の3地点がベスト3を独占した。
近鉄百貨店が6月に先行オープンした「あべのハルカス」。日本一の高さ300メートルの超高層ビルが立地する阿倍野は買い物客ら
でにぎわい、最高路線価は前年比35・1%増(1平方メートルあたり154万円)と全国で最大の上昇率になった。
近鉄によると、近鉄大阪阿部野橋駅の乗降客は、オープン1週間で1日平均6・8%増えたという。
阿倍野に隣接する天王寺も10.4%増と全国3位と「ハルカス効果」が現われた。
上昇率が全国2位の前年比17・4%増(1平方メートルあたり384万円)となったJR大阪駅北側の「うめきた」周辺。
4月に開業したグランフロント大阪のビル4棟には商業施設やオフィス、ホテルが入る。「億ション」を含むマンション525戸は完売した。
企業も徐々に集まる。参天製薬は6月に本社機能を東淀川区からグランフロント大阪に移した。開発事業者の三菱地所の担当者は
「オープンして引き合いが増えた。賃料は高いが、いい会社にこそ、選んでほしい」と強気である。
東日本では東京・浅草の雷門通りが9・0%とトップになった。
この1年で外国人の観光客が急激に増えた。
昨年、浅草を訪れた観光客は、外国人403万人を含め2075万人。昨年開業した東京スカイツリーの徒歩圏にあり、スカイツリーに
上ってきた客が多いという。
神奈川県のJR川崎駅東口前も路線価が5・7%上昇した。06年に西口に大型商業施設が開業し、駅周辺の集客力が増した。
宅地としての需要もあり、売買の相場は昨秋より1割近く上がった。
福岡市の博多駅周辺の評価額が軒並み上がった。博多駅前の最高値の上昇率も、九州新幹線の全線開業後初の路線価算定だった
昨年より高くなった。利便性が高まり、マンション建設が盛んになっていることなどが背景にあるという。
駅ビルが新しくなり、九州新幹線も開業したことから、人気が高まっている。 「あべのハルカス」路線価格上昇率・日本一 |