うめきた2期開発の公募、1次募集の事業者が決定JR大阪駅北側の「うめきた2期」開発区域(16・2ヘクタール)について、大阪府・市や経済団体で作る実行委員会は10月11日、 民間事業者から開発計画の提案を募るための要項(1次募集)を発表し、11月20日に事業者が決定した。 平成25年10月18日から11月11日までの期間で、参加資格確認申請書類の受付を行い(募集:平成25年10月11日付け報道発表)、参加 資格の確認を行った結果、参加有資格者を46者に決定した。 参加有資格決定者(グループ含む) 46者 【内 訳】 国内 23者 海外 23者 (アメリカ合衆国、イギリス、イタリア、シンガポール、中国、フランス) 過去10年間に国内外で1ヘクタール以上の大規模都市開発への参加実績がある法人やグループが対象で、提案には「緑化」を盛り込 むことが条件。1次募集で優秀提案者に選ばれれば、実際の開発事業者を選ぶ2次募集への参加資格が得られる2段階方式を採用した。 要項では、緑化スペースの効果的な活用や災害対策、環境への配慮、事業実現性などに関する提案を募り、11月中旬までに参加資格 審査を実施。提案書類の受け付けは12月18〜25日で、建築家の安藤忠雄氏や隈研吾氏ら計6人が審査し、来年3月下旬に複数の 優秀提案者を決定する。 今春開業したグランフロント大阪に隣接する2期区域は、2014年度末までに更地化され、その後、線路を地下化して新駅が開設され る予定。実行委は、工事の進展を踏まえながら、優秀提案者らと対話を重ねてまちづくりの方針を決め、15年度以降の2次募集につなげ たいとしている。2期区域のまちびらきは26年度頃になる見込み。 公募する側の大阪府・市と関西経済界は、いくつかの開発条件を公表している。(1)自由に出入りできる緑豊かなスペースの確保(2)世 界に強く印象づける「大阪の顔」となる街区(3)地域防災機能の強化。 問題は行政と経済界はこうも言う。「世界から人材や投資を呼び込み、我が国の国際競争力の強化に寄与する」。 これが最も難しい。大阪の現状を見れば、もう高層ビルと商業施設を組み合わせた旧来型の再開発はありえない。 グランフロント大阪にあるナレッジサロンには、半年で1500人の有料会員が登録し、人の出入りが絶えない。海外からの視察も多い。 小さな空間だが、これまでの日本にはなかった場であり、異なる分野の人々と知り合う機会があるからだ。また、ビジネスや文化が生まれる 可能性はある。うめきた2期の開発は、世界にもない唯一無二の機能をもつ街が必要とされる。
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