御堂筋・高さ規制撤廃、200m・超高層ビルも建設可能
大阪市の都市計画審議会専門部会は3月19日、原則50メートル、最高60メートルに制限されていた御堂筋沿いのビルの高さ規制
について、条件付きで撤廃することを決めた。航空法なども適用すると、約200mまで超高層ビルの建設可能となる。
梅田周辺に集中していた超高層ビルも御堂筋周辺まで拡大することができる。
規制緩和で老朽化したビルの再開発や街の活性化を促すのが狙いである。27日の都計審で示され、市は2013年度中に必要な手続
きを終える方針である。
同部会による規制緩和の最終案では、御堂筋の淀屋橋から本町の間のビルの低層部の高さは、現状と同じ地上50メートルで統一する
と決定。一方で軒先を低層部より後退させた高層部については、50メートルと後退分を合わせた2倍の高さまで認めることにした。軒先の
後退分が40メートルなら、ビルの高さは180メートルまで可能となる。容積率も最大1300%まで認める。
ただ、御堂筋一帯の上空は伊丹空港への航空法で規制を受けているので、実際に建築できるビルの高さは200メートルである。
大阪市はこれまで、景観保全をめざした「まちなみ指導要綱」で、御堂筋の道幅と沿道のビルの高さを1対1とし、空を見上げた視界を確
保するよう定めていた。
しかし、街の活性化を掲げる橋下市長は昨年1月、高さ制限の見直しを指示。これを受けた有識者らによる都市計画審議会専門部会
は、高さ規制をなくすことに市側は市長の意向を踏まえて、条件付きながら実質的に規制を廃止する案を提示。19日の部会で承認された。
伝統の街並みを守るべきだとの声も根強かったが、街の活性化を掲げる橋下大阪市長が押し切った形である。
御堂筋は1937(昭和12)年、道幅を現在の44メートルに広げる工事が完成。当時100尺(31メートル)とされた沿道ビルの
高さ制限は法改正に伴い1969年に廃止された経緯がある。
しかし近年、ビジネス拠点だった御堂筋地区の地盤沈下が目立ち、経済界からも規制緩和を求める動きが広がっていた。
橋下氏は市長就任直後から「御堂筋沿いに住機能やにぎわい機能を導入すべきだ」と主張。昨年1月には「御堂筋は高さをそろえるのが
命題だったが、制限をどこまで維持していくのか」と述べ、高さ規制の見直し検討を表明した。