南海電鉄、難波駅・「南海会館ビル」を超高層ビルに建て替え



 南海電気鉄道は南海難波駅に直結する「南海会館ビル」の建て替え計画の概要 を固めた。地上29階建てで、高さは155メートル前後の見通しで

ある。2016年に着工し、18年の 完成を目指す。百貨店など大型商業施設の誘致を検討している。大阪市内では梅田地区など で再開発が進んでいる

が、南海電鉄は新しい超高層ビルを核に難波地区で集客力 を高めて対抗する。難波の超高層ビル群も厚みを増してきた。

 

 総事業費は約400億円とみられる。8階前後までの低層部に、百貨店や専門店街などの 大型商業施設の誘致を検討しているほか、外国人向けの娯

楽施設も設置する方針で、高層階は オフィスとして外部企業へ貸し出す予定で、外資系企業の入居に期待する。

 目玉となる娯楽施設は、会長が「訪日外国人を想定して家族で日本や大阪の伝統文化を楽しめる 常設施設にする」と提言する。

関西国際空港に直結する路線を持つ 強みを最大限生かし、外国人を中心とした需要を取り込む考え。市営地下鉄と南海難波駅の 乗り換え利便を高

めるため、直結のエレベーターを増やすなど動線の改善にも取り組む。

 8階建ての南海会館ビルは築54年で老朽化が進んでおり、同社はかねて建て替えを模索 していた。同ビルの建て替えに際し、大阪市が都市再生特

別措置法に基づき容積率を緩和、 南海電鉄に対して最高165メートルまでビルの建て替えを認める。大阪市との調整にめどを付けたことで、 難波地区

一帯の再開発事業が総仕上げを迎える。

 13年春にグランフロント大阪などが建つJR大阪駅北側の再開発区域「うめきた」が先行 開業するほか、近畿日本鉄道は天王寺・阿倍野地区で百貨

店や外資系ホテルが入る高さ日本一の超高層ビル「あべのハルカス」を14年春に開業する。大阪市内の再開発競争が激しさを 増す中、残る有力地

区である難波の再開発で、高島屋・本店の増設、なんばシティのリニューアル、難波パークス2期など増設などが行われてきた。

 南海電鉄はプロ野球球団「南海ホークス」を1988年に売却してから、本拠地球場だった 「大阪球場」の跡地開発による一帯の活性化を目指してきた。

同球場は98年に解体工事に着手、およそ10年がかりで商業施設「なんばパークス」の全館開業にこぎ着けた。それに 先立つ03年には「スイスホテル

南海大阪」を開業している。

10年には新たに開発用地を取得。ライブハウス「Zepp Osaka(ゼップ・オオサ カ)」を誘致するほか、9月に着工したオフィスビルが13年春に完成する。

難波再開発は 梅田など他地区より開業時期が遅れるが、関空からの外国人などを積極的に呼び込み、梅田 などとは違う魅力のある街づくりを進める。



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