北朝鮮・ピョンヤンの超高層ホテル、工事中断経て来年一部完成


北朝鮮のピョンヤンで16年間にわたって工事が中断していた柳京ホテルが、来年4月初めに一部オープンすることになった。複数の北

朝鮮関係筋が明らかにした。

 高さ約330メートルを誇る同ホテルは105階建て。このうち地上20〜30階までの部分開業になる。

朝鮮に建設中の世界第二の超高層ホテル「柳京ホテル」。1987年の着工から、工事延期や停止などの紆余曲折を経て、24年後によう

やく完成する運びとなった。

 来年4月15日の故金日成(キム・イルソン)国家主席生誕100周年に間に合わせた。部分開業は食堂や事務所などが中心で、宿泊

も一部可能になる見通し。運営は、北朝鮮で携帯電話事業も手がけ、ホテルの内外装工事を請け負うエジプトのオラスコムグループと

北朝鮮の合弁になるという。

同超高層ホテルは、首都のピョンヤン(平壌)市内では1992年に資金難から建設を中断した。

88年に韓国で開催されたソウル五輪に対抗する形で、89年に北朝鮮が開いた「平壌世界青年学生祭典」に合わせて87年に華々しく

着工した。

しかし資金力不足で工事が中断され、外資導入による再開が待たれていた。

 柳京ホテルのホテルの高さは地上330メートルで部屋数は3000、延べ床面積は36万平方メートルにおよぶ。また高層部は、詳細

不明だが「ジャパニーズラウンジ」を含む回転式のレストランも施工されるという。

 アメリカ以外で地上100階を超える高層建築物は、アジア一の高さをめざしたが、実際は、台湾台北市で地上101階建ての超高層ビ

ル「台北101」(高さ509メートル)が2004年にオープンしており、高さも及ばない。超高層ホテルとしてもドバイのローズタワー・333m

に高さを抜かれた。

 同ホテルの総工費は7億5000万ドル(約810億円)とされる。韓国銀行が推定した北朝鮮の国民総生産(GNP)は208億ドルであ

り、実にそのうち3・6%もホテル建設につぎこむ計算になる。
 

北朝鮮と友好関係にある中国においてすら、同ホテル建設再開を伝えるニュースでは米誌の表現を借用しながらも、「人類史上最も醜

い建築物」と酷評している。建設再開前は建物の外面だけで何の設備も入っておらず、“世界最大の廃墟”とも呼ばれていた。

世界・超高層ホテル・ランキング10

順位
ビル名称 都市(国名) 高さ 階数 完成年
1 Rose Rayhaan by Rotana ドバイ(アラブ首長国) 333 72 2007
2 柳京(りゅうけい)ホテル ピョンヤン(北朝鮮) 330 105 2012
3 Burj Al Arab Hotel ドバイ(アラブ首長国) 321 60 1999
4 Emirates Tower Two ドバイ(アラブ首長国) 309 56 2000
5 Baiyoke Tower II バンコク(タイ) 304 85 1997
6 Hotel JAL Tower ドバイ(アラブ首長国) 269 60 2010
7 Lan Kou Grand Hyatt Hotel 重慶(中国) 258 60 2005
8 Centara Grand バンコク(タイ) 235 57 2008
9 Swissotel The Stamford シンガポール(シンガポール) 226 73 1986
9 JR Central Hotel Tower 名古屋(日本) 226 53 2000
10 Detroit Marriott at the Renaissance Center デトロイト(アメリカ) 221 70 1977

(完成が近い超高層ホテル)

 

 

 

(完成模型)

(着工前の工事中断した超高層ホテル)




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