大阪・名古屋の中央郵便局の計画見直し


 日本郵政とJR西日本は18日、大阪中央郵便局(大阪市北区)の建て替えを延期し、2012年を目指していた超高層の複合商業ビルの開業

を、当面先送りすると発表した。 ビルには、オフィスや商業施設、オリエンタルランドが運営する劇場などが入る構想だったが、開業が大幅に遅

れる見通しとなったことで、オリエンタルランドは進出を断念する。名古屋の中央郵便局でも、見直しを検討する。

 計画では、同郵便局とJR西日本が所有する周辺のビルなどを取り壊して、地上40階建て・187m(延べ床面積約21万平方メートル)のビル

を建設する予定だったが、文化財としての価値が高いとされる同郵便局の保存方法がまとまっていないことや、大阪市・梅田のオフィス需要

が、再開発ラッシュ(大阪駅ビル2棟超高層ビル建設・北ヤード4棟超高層ビル建設・阪急超高層ビル建設など)と景気低迷などで供給過剰

気味となっているため、開業時期を改めて検討するとした。

 日本郵政は19年10月の郵政民営化に伴い、建て替えを計画。同社と隣接地を所有するJR西日本の共同事業として、地上40階地下3階

建てのビル(延べ床面積約21万平方メートル)を建設する予定だった。しかし、昨年3月に当時の鳩山邦夫総務相が、局舎の保存部分の拡大

を要請したことから再検討を決定。総務省と協議中だが、保存方針が決まらず着工のめどが立たないことから、24年の完成が難しくなったと

いう。

 日本郵政によると、大阪中央郵便局は昭和14年、東京中央郵便局と同様に旧逓信省職員の吉田鉄郎氏が設計。東京はすでに21年11月

に着工し、24年4月に完成予定だが、大阪は都市計画決定上、南、東側の壁面を5〜10メートル後退させて歩道を拡充することが技術的に

課題になっているという。中層部に予定している約1700席の劇場の整備計画は変更しない。名古屋の中央郵便局でも、見直しを検討する。

 (左下部の中央郵便局だけ開発が遅れ、周りは梅田・超高層ビル群に取り囲まれている。)

(当初の大阪中央郵便局の計画案)

 

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