アメリカの著名・超高層ビルの名称変更が相次ぐ


 アメリカ一の超高層ビル・シカゴにある110階建ての超高層ビル、シアーズタワーが7月16日から名称を変更し、「ウィリスタワー」として

生まれ変わった。ロンドンに本拠がある保険企業「ウィリス・グループ・ホールディングズ」が主要な入居企業になったことを受けた改名。

入居契約で、同ビルの改名の権利も付与されていた。名称変更は今年3月に発表されていた。ビル自体の所有権は米国の不動産投資

グループが2004年に新たに獲得していた。

ただ、シカゴ名物となっている米国で最高層ビルの名称変更に反対するグループもあり、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の

「フェースブック」で運動を展開、9万人以上の賛同者を集めている。「パリのエッフェル塔の名前が変わるだろうか」などの疑問を突き付け、

イリノイ州議会が改名反対の行動を取るよう促している。 ただ、16日の改名式典にはシカゴ市長も出席予定。

同ビルは1973年の完工で、当初の主要入居企業だった小売り大手「Sears Roebuck & Co.」の名前が付けられた。同社はその本部をシカゴ

郊外に移していた。


 ワールドトレードセンター跡地で進行中のWTC再建計画の「フリーダム タワー」というビル名についても、テロで犠牲になったのはアメリカ

人だけに思えてしまうと遺族や市民の間では、批判的な意見も一部に存在した。

 2009年3月30日、ニューヨーク州は、ビルの名称を「1 World Trade Center」に変更すると発表した。その理由は、「ワールドトレードセン

ター」の頭に番号を付けた敷地内の他のビル群と1棟だけ違った名称を付けると、ビルの管理運営に支障を来すためという理由。

5つの超高層ビルとツインタワー跡地の慰霊施設、地下の商業施設、等のターミナル施設などからなる。そのうち最も高い「1 WTC」の高さは

、アメリカ独立の年にちなみ1,776フィート(541m・本体は約415m、尖塔部分含め約541m、延べ床面積約24万m²)である。

また、2WTCは408m(76階)、3WTCは383m(71階)、4WTCは289m(61階)である。


 


AONセンターは、シカゴにある超高層ビルである。「アモコビル」ともよばれる。83階建て・高さ346mのビルは、シカゴで3番目に高い超高

層ビルである。

オフィス専用ビルとなっており、一般の人は地下を除き、入場できない。崩壊したWTCの高さを低くしたような形になっていて、屋上まで

セットバックしていない。

ビル完成当時の名称は「スタンダード・オイル・ビルディング」で、「ビッグ・スタン」の愛称で呼ばれたが、アモコへの社名変更で1985年から

「アモコ・ビルディング」となった。2001年にアモコはビルを売却し、AONセンターと改名された。しかし頻繁な改名のため、市民の間ではいま

だに「ビッグ・スタン」「アモコビル」と呼ばれる。

現在は世界有数の保険会社・リスクマネジメント会社、エーオンが本社を置き、最大のテナントとなっている。

 

 ちなみに、クライスラービルは、その名のとおり、もともとは、自動車メーカー・クライスラーのビルであり、各所に自動車をモチーフとした装

飾が施されている。しかし、現在はクライスラーの手を離れており、ドイツの投資会社とアメリカの不動産会社、保険会社が所有している。

2008年7月には、アラブ首長国連邦のファンドに所有権の75%を買収されている。

 また、メットライフビル は、ニューヨークのパークアベニュー200にある超高層ビルで、かつてパンナムビル と呼ばれていた。

パンナムビルは、パンアメリカン航空の本社ビルとして1963年にオープンした。その当時としては、世界一高い商業オフィスビルであった

マンハッタンのスカイラインの重要な一角であった。

パンナムが長年にわたってこのビルを所有しており、ビルの南北の面に「PAN AM」のロゴタイプが、東西の面には球形のロゴマークが描

かれていた。このビルは、世界の航空業界をリードしていたパンナムの繁栄の象徴だった。 しかし、1970年代後半になるとパンナムの経営

は悪化し始め、パンナムはビルを売却せざるを得なくなった。

1981年、メトロポリタン・ライフ生命保険 がパンナムからビルを買収。1991年にパンナムが事業を停止したとき、メットライフは南北にあった

パンナムのロゴを自社のロゴに置き換え、ビル名も「メットライフビル」に改名した。

(パンナムのガイド)


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