世界の高塔シリーズ (1)エッフェル塔(フランス・パリ)


 20世紀芸術にもっとも大きな影響を与えた高塔である。この塔の記号学的分析で、一冊の本をロラン・バルトが書いたほどである。

設計者は、G・エッフェル。設計者の名で塔の名称にするあたり、さすが芸術尊重の国である。

フランス革命100周年を記念して、1889年にパリで行われた第4回万国博覧会のために建造された。

建設は万博に間に合わせるため、2年2ヶ月という驚異的な速さで行われたが、1人の死者も出さなかった。

建設当時の高さは312.3m(旗部を含む)で、現在は放送用アンテナが設置されたため、324mとなっている。展望台は3つあり、高さは57.6m

、115.7m、276.1mである。第2展望台までは階段でも昇ることが可能。水圧エレベーターなど、当時の基本構造は今でも現役で稼動している

。鋼製ではなく錬鉄製の塔である。塔の支点の下には水平に保つためのジャッキがある。

現在ではパリを代表するシンボルとなっている。1991年この塔を含むパリのセーヌ川周辺は世界遺産として登録された。

 東京タワー(333m)が、この高さを超えたとき、日本の「成り上がり根性」が物笑いの種になったことがあるほど、世界中で気にされる

存在になったのである。

東京タワーからの眺望とエッフェル塔からとの眺望を比べると、まず第一に都市景観のレベルの差が判る。

パリは、都市内居住者が多く、都市に居住する生活者の観点から景観などが配慮されている。東京は、超高層ビル・雑居ビル・民家が

乱立して、都市景観が配慮されていない。

また、パリは歴史的建物・ランドマークが存在している。19世紀半ばのパリの大改造など、古くから都市整備が進められており、広域的

に歴史的な史跡や、直線的な街路樹などが整備されている。これに比べ、東京の世界的な歴史的史跡は皆無で、ランドマークも無い。


(エッフェル塔・全景)


(エッフェル塔からの眺望)

(後方の超高層ビル群は新都心、ラ・ディファンス)

 


(エッフェル塔の各部)

(エッフェル塔の入場者の列・世界中からの集客を誇る)

 

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