建設は万博に間に合わせるため、2年2ヶ月という驚異的な速さで行われたが、1人の死者も出さなかった。
建設当時の高さは312.3m(旗部を含む)で、現在は放送用アンテナが設置されたため、324mとなっている。展望台は3つあり、高さは57.6m
、115.7m、276.1mである。第2展望台までは階段でも昇ることが可能。水圧エレベーターなど、当時の基本構造は今でも現役で稼動している
。鋼製ではなく錬鉄製の塔である。塔の支点の下には水平に保つためのジャッキがある。
現在ではパリを代表するシンボルとなっている。1991年この塔を含むパリのセーヌ川周辺は世界遺産として登録された。
東京タワー(333m)が、この高さを超えたとき、日本の「成り上がり根性」が物笑いの種になったことがあるほど、世界中で気にされる
存在になったのである。
東京タワーからの眺望とエッフェル塔からとの眺望を比べると、まず第一に都市景観のレベルの差が判る。
パリは、都市内居住者が多く、都市に居住する生活者の観点から景観などが配慮されている。東京は、超高層ビル・雑居ビル・民家が
乱立して、都市景観が配慮されていない。
また、パリは歴史的建物・ランドマークが存在している。19世紀半ばのパリの大改造など、古くから都市整備が進められており、広域的
に歴史的な史跡や、直線的な街路樹などが整備されている。これに比べ、東京の世界的な歴史的史跡は皆無で、ランドマークも無い。
(エッフェル塔・全景)