近鉄は8日、同社最大のターミナルである大阪・阿部野橋駅(大阪市阿倍野区)の駅ビル旧館部分を建て替え、高さが日本一となる
約300メートルの超高層複合ビルを建設すると発表した。投資額は700億〜900億円で、2014年に完成する。
ビル低層階に入る近鉄百貨店も売り場面積が現在の1.3倍の約10万平方メートルと国内百貨店で最大となるほか、美術館やオフィス、
ホテルも入居する。現在、国内で最も高いビルは1993年に三菱地所が開業した横浜ランドマークタワー(296メートル)で、21年ぶりに
日本一の記録が塗り替わることになる。
「アベノ」は当社、地下鉄、JRなどが乗り入れ、1日の乗降客数約80万人を誇る、「キタ」、「ミナミ」に次ぐ 大阪の中心地であり、また同社
にとって最大のターミナル。このアベノ地区の更なる発展 に寄与し、ひいては当社事業の成長の原動力とするため、地区の都市機能
やイメージを飛躍的に向上さ せるインパクトのあるプロジェクトとして、高さ約300メートル、日本一の超高層複合ビルを建設する。
日本の超高層ビルが、初めて300mの壁を越える。
この超高層ビルは、地下5階地上59階、延床面積約21万平方メートルとし、低層階に営業面積日本 一の百貨店を配置するほか、中層階
には大阪でも有数のフロア面積を誇るオフィス、高層階には大阪で 最高層に位置する国際級ホテルを導入し、アベノ地区の都市機能の
充実を図る。最上階には300mの展望台も設けられる。加えて、美術館 を設置することにより、南大阪エリアの新しい文化・観光拠点
の形成を図る。 建物には、複数の屋上緑化施設を配置することで、街の景観の向上を図るほか、低層階では新たな公 共的空間の確保
と歩行者回遊ネットワークの整備を行い、建物周辺への人の流れを円滑にすることで、 地区の賑わいを創出する。