庶民生活の実態から言えば「NO!」なのである。東京の豊かな税収を地方に回して地域間格差を縮めるべきだと、国や地方から狙
い撃ちにあっている東京都が、「東京富裕論」への反論に乗り出した。東京都が一番、実態を把握しているのである。
大都市ゆえの財政需要の大きさを挙げるほか、人口が多すぎて都市基盤が追い付かない状態なのである。庶民の生活は、通勤地獄で、
相次ぐ交通機関のトラブルが拍車をかけている。地価が高く家も持てないし、家を持てても狭く「うさぎ小屋」と海外から揶揄される。
最近の年金問題から、将来もらえる年金見込み額を把握されている人も多いが、持家がないと暮して行けない額である。東京の
出生率、老人ホーム数(一人当たり)は全国一少なく、生活保護世帯は全国でダントツに多く、2位の大阪の3倍以上多い、ひどい
状態なのであある。
「東京は税金を納める人も企業も多い。東京がお金が余って島根が足らない」「どうしたら格差を是正できるか」との声があるが、庶民
レベルで考えると東京もひどい状態なのである。
ただ、全体の経済的な数字を上げるだけの国の一極集中政策、乱開発を行った東京都の大きなつけが、これから、もっと大きく庶民
に押し寄せるのである。
■東京の人々の暮らしのデータ
東京都(全国順位) 全国平均
(1)下水道普及率 94.9%(1位) 64.8%
(2)人口10万人あたりの医師数 264.2人(1位) 201人
((3)人口千人あたりの警察官数 3.42人(1位) 1.92人
(4)有効求人倍率 1.09(4位) 0.73
(5)勤労者世帯の世帯主月収 45万円(14位) 42万5千円
(6)人口10万人あたりの一般病院数 4.9施設(38位) 6.3施設
(7)1住宅あたりの延べ床面積 59.43平方メートル(最下位) 89.59平方メートル
(8)持ち家率 41.5%(最下位) 60.3%
(9)1住宅あたりの居室数 3.41(最下位) 4.74
(10)1人あたりの都市公園面積 3.98平方メートル(最下位) 8.23平方メートル
(11)高齢者10万人あたりの老人ホーム数 26.9施設(最下位) 37.1施設
(12)ラッシュ時の車の速度 20.2km/時(最下位) 35.0km/時
(13)二酸化窒素の環境基準達成率 52.6% 89.2%
(14)合計特殊出生率 0.98(最下位) 1.25
(15)生活保護世帯数 146063人(1位) (参考:大阪45261人、富山(最小):1053人)
(16)人口千人あたりの刑法犯認知件数(14) 20.1(8位) 17.7
(東京都の2007年のデータなど参照)