過熱する東京のマスコミ偏向報道(3)


 マスコミの報道に、「東京圏が3000万人の世界一の都市圏を誇り、人口密度も世界一である。」と東京の一極集中を自慢しているのを、よく

見かけるが、それが、どれだけバカげた事か理解していない。テレビに映されるのは、東京に都合のよい氷山の一角で、その氷山の海面下には

膨大な醜い面が隠されているのである。

「所得、住宅環境、道路・交通の整備状況、都市景観」が都市の基本的な条件として求められているが、世界的に酷評されている「狭い住宅、ひど

い交通渋滞・通勤ラッシュ、ゴチャゴチャした都市景観」などは目に余る。

そもそも都市には、その機能を十分に果たすための「適正な人口」というものがあるが、それを無視するとどういうことになるのか判っていない。

大阪の都市圏の人口も1800万人であるが、先進国の都市圏人口としては、これぐらいが限界なのである。

東京の住宅事情は、もっと深刻である。最低居住水準(人世帯で29平方m・4人世帯で50平方m)未満の世帯が、24%も占める。

遠距離通勤であるが、2000年の交通調査によると、通勤者のうち65%が通勤に片道 1時間以上を費やしている。防災面でも、78年の宮城県

沖地震を契機に、81年に建築基準法が改正されたが、それ以前に建てられた住宅は、約半分と老朽化が進んでいる。

防災面でも、火事は住宅の密集地において、被害は大きくなり、倒壊・延焼などの危険度も増大するし、避難も困難となる。火災の際の

消火活動だけでなく、その他の自然災害のときにも被害拡大防止のための活動が大幅に制約される。

東京において、総面積6000haに及ぶ木造密集地域は、ほとんどが経済の高度成長期に形成されたもので、いわば20世紀の負の遺産である。

この負の遺産を解消して木造密集地域を改造することも大きな課題である。

東京は、日本の高度成長期に、一極集中に追いつかず、道路建設のスピードが遅れた。自動車輸送の必要性が増進する時代に、しかも放射

方向の道路がある程度でき上がって、環状道路を充実すべき時代に道路建設を怠り、そのツケが今一挙に表れて、東京の道路渋滞をひき起こ

している。

東京23区の渋滞時平均走行速度は時速18q、マラソンの選手より遅い。

 国土交通省のデータによると、平成16年度の、鉄道におけるラッシュ時の平均混雑率は東京圏が171%、名古屋圏が146%、大阪圏が

137%となっている。

例えば、東京のワーストは京浜東北線で、平均225%、ピーク時には250%を超え、私鉄線や地下鉄線の多くも、これに準ずる激しい込み

具合で、我慢の限界を超えている。東京は、鉄道網が発達しているというが、反対なのである。その都市の人口に適した鉄道網が設置され、

その事を、鉄道網が発達しているという。

 対する大阪は、最も込んでいる地下鉄御堂筋線で150%。東京の平均にも及ばないが、駅が広く、運転車両数・間隔も適正で、鉄道網が

発達し、地下鉄御堂筋線は地下鉄路線として日本一の乗降客で、日本一の利益を出している。ちなみに、東京の混雑率250%では、

身動きが全く取れなくなり、手も動かせないというから、身の危険を感じ、まるで家畜の運搬車である。

そんな東京の電車には、ラッシュ時に座席を全くなくして、とにかく人をつめ込むという設計のものも登場したが、これも家畜を輸送するような

ものである。

東京のホテルもひどいもので、高級ホテルでさえ、朝飯を食うのに長蛇の列で、30分も並ばされることも多い。どんな立派な設備でも、利用者

が多すぎて、迷惑をかけるなら意味がない。

 欧米のホテル事情にも詳しい人なら 「ホテルを見れば、その街の空気がわかります。だからこそ、ゆとりを持った本物のサービスを提供

することが必要なんです」という。

 人口過密を抱える東京で、ホテルの多くは「息苦しい空気」に包まれている。どんな豪華なしつらえもこれを隠すことはできない。

 高級ホテルが「街の顔」だとすれば、東京は一極集中のひずみに苦しんで、のたうちまわっているのである。

 しかも、東京での生活が長い人たちは、渋滞や行列には慣れ、これが当り前だと思っているので始末が悪い。

 都市が持つ機能を有効に活用するのが本来の姿であるが、東京では、むしろ我慢しなければ生活できない極度に不便な場所なのである。

 

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