メトロポリタン美術館(ニューヨーク)などと並んで世界最大級の美術館の1つであるとともに、ヨーロッパで最も古い美術館の1つに数えら
れる。世界遺産「パリのセーヌ河岸」に包括登録されている。創立者はナポレオンの外交官であったヴィヴァン・ドゥノンである。
世界的に有名な絵画・彫刻を多数所蔵している。
1世の時代から ナポレオン3世の時代まで実に3世紀以上を費やして完成した壮大な建物で、 16世紀以降、近代までのフランス建築ならび
に装飾の粋を集めるものである。 フランソワ1世以後の歴代王室の収集品を基として、 フランス革命後の1793年にフランス共和国により
公開された。
フィリップ2世(在位1180−1223)が築いた城砦の遺構は現在も一部が保存されている。 この城砦を初めて王宮へと改築したのは
シャルル5世で、 建築家のレーモン・デュ・タンプルに命じ、1364年から改築に着手した。 その後もこの建物は歴代のフランス王によって
拡大と改築が続けられていった。
その中でルーヴルをルネサンス様式の壮麗な宮殿に改築しようとしたのが、レオナルド・ダ・ヴィンチの パトロンとしても知られるフランソワ
1世(在位1515−1547)である。
1985年から1989年にかけて、ミッテラン政権下の 「グラン・ルーヴル・プロジェ」により大改築が行われた。 主に地下部分に増築を行い、
、I・M・ペイ設計による、 ガラスのピラミッド(内部に逆ピラミッド)を中庭におき、 その直下に美術館部と新たに設けられた店舗・食堂部門
を結ぶアネックスをもつ 近代的な美術館の面も持ち合わせるようになった。
収蔵品は、古代エジプト美術、ヘレニズム彫刻やギリシア盛期の古代ローマ彫刻、古代オリエント美術、中世・ルネサンス・バロック・
ロココなど各時代のヨーロッパ諸国の絵画などの充実した収蔵品で知られる。なお、近代(19世紀後半-20世紀前半)の作品は国立オル
セー美術館、現代の作品はポンピドゥー・センターに収蔵されている。