8000m峰・全山(14座)登頂

 


 

 世界で14座ある8千メートル峰の全山登頂を目指していた登山家、竹内洋岳が日本時間の5月26日午後8時45分、最後に残った世界第7

 

位の高峰、ダウラギリ1峰(8167メートル、ネパール)の山頂に立ち、全山登頂に成功した。

 

 14座制覇は1986年、イタリア人登山家のラインホルト・メスナー(67)が初めて成功し、過去28人の登山家が達成しているが、日本人で

 

は竹内さんが初の登頂者となった。日本人で竹内さんに続くのは9座で4人。うち3人は10座を目前に遭難死している。

 

 


竹内さんは95年のマカルー(8463メートル)遠征隊で初の8千メートル峰に登頂。昨秋に13座目の8千メートル峰を極め、17年かけて快挙

 

を達成した。

 

竹内さんは2007年、10座目となるガッシャーブルム2峰の登山で雪崩に遭い、腰椎や肋骨5本を折る重傷を負っている。

 

 竹内さんが達成した14座完登は、「日本登山界の呪縛」とも言われ、これまで日本人には「10座の壁がある」と言われてきた。ただ一人、10

 

座を超えて挑戦を続けた竹内さんは、日本の登山史に大きな記録を刻んだ。

 

 

8千メートル峰は、世界でも高峰が連なるヒマラヤ地域のみにそびえる。標高8千メートル以上の高所は、酸素が平地の3分の1しかなく、高山

 

病の危険が高い。厳しい寒気や強風、雪崩など人間の生存を拒む。

 

 


竹内さんは少人数、短期間で登頂を目指すスタイルである。事前に6千メートル峰などに登り、高所に体を慣らす。その上で好天や雪崩の危険

 

を見極めて、一気にアタックする。ずば抜けた身体能力と冷静な判断力がなければ、チャレンジは難しい。

 


8000メートル峰・全山登頂者

 

 

名前 達成年 国籍
1 ラインホルト・メスナー 1970-1986 イタリア
2 イイジ・ククチカ 1979-1987 ポーランド
3 エアハルト・ロレタン 1982-1995 スイス
4 カルロス・カルソリオ 1985-1996 メキシコ
5 クシストフ・ヴィエリツキ 1980-1996 ポーランド
6 フアニート・オヤルサバル 1985-1999 スペイン
7 セルジオ・マルティーニ 1976-2000 イタリア
8 朴英碩(パク・ヨンソク) 1993-2001 韓国
9 厳弘吉(オム・ホンギル) 1988-2001 韓国
10 アルベルト・イニュラテギ 1991-2002 スペイン
11 韓王龍(ハン・ワンヨン) 1994-2003 韓国
12 エド・ベスターズ 1989-2005 アメリカ
13 シルビオ・モンディネッリ 1993-2007 イタリア
14 イバン・バレーホ 1997-2008 エクアドル
15 デニス・ウルブコ 2000-2009 カザフスタン
16 ラルフ・ドゥイモビッツ 1990-2009 ドイツ
17 ベイカー・グスタフソン 1993-2009 フィンランド
18 アンドリュー・ロック 1993-2009 オーストラリア
19 João Garcia 1993-2010 ポルトガル
20 Piotr Pustelnik 1990-2010 ポーランド
21 エドゥルネ・パサバン 2001-2010 スペイン
22 Abele Blanc 1992-2011 イタリア
23 Mingma Sherpa 2000-2011 ネパール
24 ゲルリンデ・カルテンブルンナー 1998-2011 オーストリア
25 Vassily Pivtsov 2001-2011 カザフスタン
26 Maxut Zhumayev 2001-2011 カザフスタン
27 Jae-Soo Kim 2000-2011 韓国
28 マリオ・パンツェリ 1988-2012 イタリア
29 竹内洋岳 1995-2012 日本

 

 

 

 

 

(エベレスト・8848m)

 

      

 

(ダウラギリ・8167m)

 

(アンナプルナT・8091m)

 

 

(K2・8611m)

 

(ナンガ パルバット・8126m)

 

 

(ブロード・ピーク、8051m)

 

(カンチェンジュンガ・8586m)

 

(マカルー・8463m)

 

(チュー・オユー、8201m)

 

(マナスル・8163m)

 

 

(ガッシャムブルー・8068m)

 

 

 

 



(エベレスト8848mとローツェ・8516m)

 

 

 


(チョー・オユー・8201m)

 

 

(アンナプルナ連峰)

 

 

 

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