都市の雑学と超高層ビル、特集8・福岡


(歴史)

律令制社会の頃、福岡は筑紫の国と呼ばれ、九州全体の鎮守府・太宰府が置かれ、九州総督府の所在地で

あった。早い時期から、政治、軍事、外交の西の関門として重要な役割を果たしてきた。

遣随使・遣唐使はこの地から出発し、二度にわたる玄海灘を越えて押し寄せた蒙古との戦いもこの地である。

また朝鮮・中国の文化伝承の地で、日本最古の稲作が開墾された地でもある。

戦国時代には、早くも日本三港の一つを占め、裕福な貿易商人の手で自治的に栄えてきた。江戸時代に

入ると福岡は三つに区分され、周防灘に面した北九州一帯は豊前藩、遠賀川の流域一帯は筑前藩、西日本

最大の穀倉地帯をつくりだした筑後川流域は筑後藩によって治められるようになった。

(風土)

博多は商都、北九州は工都といわれ、市民の気質も違い、趣向もまるで違う。もともと福岡県は全国でも

多く、芸能人を輩出したタレント王国県であるが、流行歌一つとっても、博多と北九州ではヒット曲がまるで違う。

北九州市は、瀬戸内海経済圏の自覚が強く、九州人という意識が少ない。メーカーによっては、支店管轄にお

いて北九州は下関と含めて支店範囲とするケースが多く、博多には向いていない。

 新聞社を例にとれば、朝日・毎日・読売の西部本社はすべて北九州に拠点を置いている。したがって情報の

販路は北九州からということになる。

(博多と福岡)

商人町が博多で、侍町が福岡。明治時代に市制が導入されたとき、市の名称を福岡にするか、博多にするか

で大論争が起こった。結局、県令により福岡市と決定された。しかしその後、これに納得しない博多派から、

博多市への改称の動議が市会に出され、すったもんだの末、可否同数のため、議長の決裁で市の名前は変え

ず、福岡市のままということになった。

しかし福岡市の表玄関であるJRの駅は福岡駅でなく、博多駅と名づけられている。その後、何度も市議会で「

市の名前を博多にせよ」という動きがあったが、1票差で福岡のままとなった。その見返りとして、駅名を博多と

したのである。全国の駅名で県庁所在地名をつけなかっためずらしいケースである。

(気質)

サラリーマンが転勤したい都市の上位に博多が選ばれている。「惚れやすく飽きやすい」、「色は黒いが血は

赤い」という情熱的気質がある反面、「九州のトップ」というプライドが高い。また「県内他市は博多に比べてレ

ベルが低い」といったりして、同じ県にありながら、博多が一番と、差別意識も強烈に持っている。

それでいて他府県人に対しては、差別化せず、来る者は拒まず、去る者は追わず、の気風が強い。よそ者に

とって、住みやすい街である。あけっぴろげで、もてなし好きで、人づきあいにこだわりがない。陽性で、太っ腹

、祭り好き、祝い事好き、騒ぎ好きが博多っ子の気質である。

しかし東京に対しては強烈な対抗意識があり、東京中心志向には反発するという気質も持っている。東京弁よ

り関西弁を好む傾向が強い。権威主義的なものの考え方に反発する気質で、自己主張が強いということにな

るだろう。要するに強引に世の中を押し渡ろうとする気概、いわゆる九州男児の性格を示している。

また、過去に、井上陽水、武田鉄矢、長渕剛など、福岡は多くの著名なフォークソング・シンガーを輩出した。

中洲は、九州・最大の夜の盛り場で、単身赴任のメッカとなっている。

ちなみに博多は、九州の支店経済の町で、単身赴任者が多い。福岡市の人口は130万人、北九州市は約

100万人。一つの県に二つの100万都市があるのは、福岡県と神奈川県だけである。商都の福岡市、工都の

北九州市と一線を画す都市構造になっている。また同じ県でありながら、地域特性は際立って異質であるから、

その情報を収集し、地域を攻略することが戦略的に重要となる。まさに両市は二眼レフ構造となっている。

(超高層ビル・不毛の地)

 福岡・都心部に超高層ビルがないのは、福岡空港と関係している。航空法第49条には、飛行場周辺の

建造物の高さについて制限が、書かれている。

 福岡空港から、半径4キロメートル以内では、建造物の高さは、45メートルに抑えなければならない。

都心部のJR博多駅などは、この圏内にある。その外側では、50メートル離れるごとに、高さの制限は、

1メートルづつ上がる。この条件が空港から16.5キロメートルまで、適用される。

 空港から5キロメートルの天神でも、74.1mの高さの制限がある。したがって、福岡都心部には、超高層

ビルがない。ちなみに、空港から9キロメートルのシーサイドももちで、154.1mになり、高さ・143メートルの

シーホークホテル&リゾートが建っている。超高層ビルは建てることができないが、都心部から地下鉄を利用

して、約10分で空港に行ける便利さは、魅力である。

 

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