都市の雑学と超高層ビル、特集7・さいたま


(東京の植民地)

江戸に隣接し、北関東、越後への通過点であり、地形・気候の面から見ても、これという風土を生み出してこ

なかっれ関東平野および武蔵国の一部で、群馬県同様、天領、旗本領、諸藩領が入り組み、江戸幕府の厳し

い支配下におかれた。藩主交代が頻繁に行なわれ、藩主はたえず江戸を見て統治していたので、藩独白の

文化は育たなかった。いわゆるサラリーマン大名である。

明治に入り、明治政府の中央集権が強まると、埼玉県は東京の予備としての機能の色合いがますます濃く

なった。

埼玉県の産業は、東京の強い影響のもとに発展してきた。県庁所在地の「さいたま」も、東京の求心力の前に

は影が薄い。47都道府県のうち、面積では39番目の狭い地域に、市の数は43もあるが、中核都市がなく、そ

れぞれが東京に向いた形になっている。その結果、没個性化し、県民性が希薄になるという印象を強くして

いる。「ダサイタマ」「さつまいも県」と椰楡されるのも、そのような背景に起因する。

戦後、東京への人口集中に伴い、埼玉県へも他県からの人口の流入が著しくなった。現在では人口の半分

以上が他県出身者で占められ、「埼玉都民」の様相を呈しつつある。

西武線、東武線、東北線、高崎線の主要路線は、東京との一体感が強く、放射線状になっており、東京に対し

ては便利であるが、横の連絡は不便きわまりない。まさに東京の巨大な植民地、出先植民地となり、郷土意

識は消え、東京の北区や葛飾区の延長のようなものとなっている。

核家族の割合も高い。これはドーナツ化現象により、若いサラリーマンが比較的物価の安い埼玉県に流入し

た結果である。

埼玉独白の都市形成づくりが推進されているものの、埼玉の東京化はいっそう進むと予想される。仮に多極

分散化が推進されても、他県ほどの白主分散は起こらないだろう。東京に最も隣接していることや歴史的背景

を考えれば、埼玉県は東京圏に包括される。横浜同様、「さいたま」は東京の需要変動を最も受けやすい市

場構造にある。

埼玉県の東京に近い南東部は軽薄で都会的気風が強く、北になると質朴で野心的な気風で強情である。し

かしいまや、流入人口の80%以上が東京に通勤するサラリーマンで占められており、郷土意識、県民意識が育

ちにくくなっている。

(さいたま新都心)

浦和市、大宮市、与野市の合併で、2001(平成13)年5月、100万都市「さいたま」が出現し、超高層ビルも多く

建設された。「さいたま新都心」計画で埼玉県は求心力をつけようとしている。街開きで、東京の10省17機関

の合同庁舎、大宮寄りに多目的イベント施設「さいたまスーパーアリーナ」がオープンした。しかし、またも東京

都心への集中化により、新都心の開発は止まり、更地が目立つ。

また営団地下鉄南北線につながる埼玉高速鉄道などの建設で、関東広域をにらんで企業が営業拠点を移し

、北関東をカバーする拠点になることをめざす。

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