記者の

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世界の超高層ビル事情 

壮観…摩天楼の魅力

 この夏、マレーシア・クアラルンプールを訪れ、超高層ビル群に圧倒された。中でも目を見張ったのが、地上452メートルの高さを誇る「KLCC(クアラルンプール・シティセンター)ビル」。近くには421メートルの「KLタワー」もあり、その二つを囲んで他のビルが林立する様子は、壮観だった。かつては「国力」の物差しだった高層ビル。どの国でも「土地不足」が建設の主要因になって久しいが、「バベルの塔」以来、人間が高い建物にあこがれる気持ちは変わらない。世界の超高層建築の最新事情を探ってみた。

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摩天楼の名にふさわしいエンパイア・ステートビル。これまでに約1億7000万人がこのビルからの眺めを楽しんだという(「超高層ビル情報」のホームページから)

 まずのぞいたのが、「The World Federation of Great Towers」(世界大タワー連盟)のホームページ。553メートルと、世界で最も高いカナダ・トロントの「CNタワー」や、鉄筋を用いずコンクリートだけで造られた塔の中では世界一という「KLタワー」など、各国を代表する計21基が加盟する組織だ。ページでは、高さや特徴、見どころなどが紹介されている。

 三本足のロケットのような「タシケント・タワー」(375メートル・ウズベキスタン)や、宇宙空母を思わせる「モントリオール・タワー」(175メートル・カナダ)など、個性的な建造物も仲間に入っており、世界のタワー巡りが楽しめる。

 このページにリンクしているニューヨークの「エンパイア・ステートビル」に飛んでみた。

 1931年に完成。381メートルの高さは当時としては驚異的だった。72年に同じニューヨークの「ワールド・トレードセンター」(417メートル)に抜かれた後、後輩らが続々と記録を塗り替え、今では、ビルとしては5番目にまで後退した。だが、ホームページは、決して高さだけが売り物でない元祖・摩天楼の横顔や魅力を伝える。

 「映画の中のエンパイア・ステートビル」のコーナーでは、てっぺんに登った「キングコング」が飛行機をわしづかみにする有名なシーンとともに、「アニー・ホール」「足ながおじさん」など、ビルが登場した名画の数々を列挙。エリザベス女王やサッカーの神様・ペレ、望遠鏡をのぞくキューバのカストロ将軍など、著名人が訪れた際のスナップも公開しており、歴史の重みを感じさせる。

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ユニークな形のモントリオール・タワー(世界大タワー連盟のホームページから)

 「この場所で恋に落ちた人たちは、子供や孫を連れてまたやって来ます。みな、このビルが地上で一番素晴らしい眺めを提供する畏敬(いけい)すべき建造物であると同時に、これほどアメリカの独創性とアールデコ建築を象徴しているのは、エンパイアをおいてほかにはないことを知っているのです」という運営者の言葉には自負がにじみ出ている。

 日本発のホームページで最も情報が充実しているのが、トール・ビル(のっぽビル)を名乗る神戸市の会社員(45)が開設する「超高層ビル情報」。世界60位までの高さランキング表にはビルの名称や都市名、階数、用途、竣工(しゅんこう)年が網羅されている。別に日本国内のベスト30や高層建築の基礎知識などのコーナーもある。

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KLCCビル(右)とKLタワー(左奥)=中原康弘撮影

 独自の計算式で数値化した「世界の超高層化都市ランキング」を見ると、1位がニューヨーク、2位がシカゴで、3位が香港の順。クアラルンプールは5位で、日本では東京が8位、大阪が19位。サイトには、自分で撮影したものも含めニューヨーク・マンハッタン、シカゴ、香港などのビルの夜景など、魅力ある写真も掲載している。

 超高層ビルの現時点での高さの限界は500メートルともいわれている。21世紀には、どのくらいの高さのものが誕生するのだろうか。

 ビルさんは「現在使われている鉄骨の素材に比べ、さらに軽量で強度のある鉄骨が開発されています。それを使えば1000メートルが可能」としたうえで、「高さ600メートルのビルの設計も具体化されており、施工技術の発展や設備の開発・防災面、経済性などを考慮し、21世紀の超高層ビルは800メートルぐらいが限界でしょう」と予想している。

(中原 康弘)

 超高層ビル情報=
http://www.geocities.jp/toolbiru/

 

 世界大タワー連盟=
http://www.great-towers.com/

 エンパイア・ステートビル=
http://www.esbny.com/


ワールドBOARD

 大阪出世タワー七巡り=
http://www.mesh.ne.jp/osaka/7tower/

 梅田スカイビル、WTCコスモタワー、通天閣など、大阪を代表する7つの高層建築を、ラリー形式で巡るページ。観光用の展望台が日本で初めてできたのは大阪といい、東京名所だった「浅草十二階」に先駆け、1888年(明治21)にミナミに「眺望閣」(5階)、翌89年にキタに「凌雲閣」(9階)ができている。

 東京タワー=
http://www.tokyotower.co.jp/index.shtml

 昨年12月23日に開業40周年を迎え、今も日本を代表する東京タワー(333メートル)の公式ホームページ。「地上250メートルの風景」のコーナーでは、特別展望台から8つの方向の眺めを楽しむことができる。北海道から九州までの、主なタワーの画像やデータも公開しており、「世界大タワー連盟」のページにもリンク。



編集者から

 エンパイア・ステートビルから眺めるニューヨークの夜景は懐かしさがこみあげます。光の当たったアールデコのビルの屋根が、まるで、祇園祭の山鉾(やまほこ)の列のように見えます。ビルの谷間の街のバカ騒ぎや酒とバラの日々を夢見る人々のため息も届きません。古代から、人は夢と願いを天に届かせようと塔をつくり続けました。バベルの塔はなぜ崩れたのか……。

 取材班への電子メールのアドレスは yomiopen@po.iijnet.or.jp 、FAX(06-6366-1157)でもどうぞ。

 

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